海水中の塩分を、イオン交換膜を用いて濃縮する操作。塩分が約18%まで濃縮されます。
「一括表示」とともに、協議会会員に必ず表示が義務づけられているのが「製法表示」です。
表記される項目は、「原材料名」と「工程」の2つですが、ここを読むことで、そのお塩がどのような原料を用いて、どのような製法で製造されたかがわかるというわけです。というと、何だ、それだけ、と思われるかもしれませんが、実はこの製造方法を理解することがお塩のプロフィールを知る上で最も大切なポイントです。
たとえば、「原材料名:海水(○×県)工程:イオン膜、立釜、乾燥」というような表示がされますが、それぞれ何を語っているのかお分かりになりますか。確かに専門的な表示ですが、これらを読み取ることにより、そのお塩が製造された詳細がわかり、トレーサビリティの把握につながるのです。
今度、お塩を買われるときは、ぜひこのウェブサイトを活用して「製法表示」をご覧になり、お気に入りのお塩探しにお役立てください。
お塩ができるまでには大きく分けて5つの工程があります。それを16の工程用語で表示します。
1. 濃い塩水を作る工程:イオン膜、逆浸透膜、溶解、浸潰
2. 濃い塩水を作る工程+塩を結晶させる工程:天日
3. 塩を結晶させる工程:平釜、立釜、噴霧乾燥、加熱ドラム
4. 塩の品質、性状を整える工程:乾燥、粉砕、焼成、混合、洗浄、造粒
5. 岩塩や湖塩を掘りだす工程:採掘
1. 一括表示に従って示され、原材料名の後に()書きで原料の原産国が付記されます。
国産原料の場合は、地域名となります。
2. 複数の原材料を使用している場合は、()内に原産国と使用割合が付記されます。
3. 原料塩を購入し加工した製品は、()内に原料塩の製造方法が付記されます。
海水中の塩分を逆浸透膜によって濃縮する操作。海水から真水をつくるときに出る濃い海水(塩分約6%)を利用するものです。
天日塩や岩塩などを水や海水に溶かして、「かん水」と呼ばれる濃い塩水をつくる操作です。
藻塩の製造工程で、海藻を海水に浸し、
うま味成分を溶出させる操作です。
太陽と風力といった自然エネルギーを利用した蒸発法。日射量が多く乾燥した気候が適し、海外では広大な土地で海水を蒸発させて塩をつくっています。
結晶盤による結晶化
メキシコ天日塩田
天日結晶塩
開放釜で煮詰めて、塩の結晶をつくる方法。温度や撹拌の条件によって、こまかな結晶の凝集塩、フレーク塩などをつくることができます。
凝集塩
フレーク塩
真空式や加圧式など密閉した釜や缶で蒸気加熱する方法。大量生産が可能で、結晶は0.2?1mmほどのサイコロ型になります。
立方体塩
噴霧乾燥は塩水を霧状に噴霧して水分を蒸発させる方法で、加熱ドラムは海水を加熱ドラムに吹き付けて乾燥させる方法です。
微粒塩
塩の結晶を加熱して水分を取り除く操作で、除湿、減圧乾燥を含みます。サラサラした塩になります。天日乾燥は乾燥とは表記しません。
塩のかたまりを砕いて粒を小さくする操作。ふるいにかけて粒の大きさを整える操作を含みます。
粉砕塩
塩の結晶を高温で焼く操作で、焼き塩の製造に用いられます。固まりにくい、サラサラした塩になります。
副原料や添加物を加えて混ぜる操作。添加物には、にがり、固結防止剤、うま味成分などがあります。
天日塩や岩塩に含まれる砂泥などを、水や塩水で洗って取り除く操作です。
塩を粒状などに成型する操作。成型にはプレスの他、でんぷんなどの成型材を加えて固めるものなどがあります。